昔使っていたカセットデッキ、ソニーTC-K7Bから取り外したVUメーター。TC-K222ESAに買い換えたときにメーターだけは再利用できそうと思って保管していました。ひとつは以前電流計として使っていましたが、他に使い道はないか考えたときにアンプのメーターを思いつきました。
メーターの図柄はInkscapeというドロー系描画ソフトで設計しました。設計にあたり、LUXMANプリメインアンプの洗練されたメーターデザインからヒントをもらいました。というか、ほぼパクリです(^^;)デシベル表示の目盛りは適当な間隔で勝手に付けました。VUではなくdBにした理由はいわゆる「VUメーター」は音量とメーターの位置が規格で定められている様なので、VUと表示するのをためらいました。dBにしてもインチキなのですが、dB表示の方がまだゴマカシがきくイメージがあります。今回の製作の趣旨はメーターの針がピンピン動いているところを見て楽しむためで、値の正確性はどうでも良いのです。ただメーターの見た目だけは、いかにも昭和レトロっぽくならない様にしたつもりです。メーター照明も白色LEDにしました。
アルミパネルは3ミリ厚ノーブランドのものをモノタロウで購入。幅と長さを指定して注文します。穴開け加工は自宅のミニフライス盤で行いましたが、メーターの窓が少しでこぼこになってしまいました。仕方なくメータ窓に3Dプリンタで作った枠を銀色に塗って貼り付け、ごまかしました。パネル表側は400番のサンドペーパーを添え木を当てながらまっすぐに引いて、ヘアライン仕上げにしました。
筐体は3ミリ厚のアルミ複合パネルで作りました。定規とカッターで直線に切断できるので加工は楽です。3Dプリンタで補強用コーナー材を作り接着剤で固定しました。左側の基板は12V1.2AのACアダプタ。右の基板はメータ駆動回路。パネルに出ている左側のスイッチ本体とノブはパイオニアSA-8800Uの電源SWを再利用したもの。.右側のつまみの部品はナショナル製オーディオタイマーから取り外した4回路5接点のスイッチ。いずれも昔使っていた機器の一部です。
メーター駆動回路はネットに出ているオペアンプを用いた一般的なものを参考にしました。スイッチオン時にメーターの針が大きく振れるのを抑えるため、メーターにはリレーをかまして遅延回路を入れてあります。また、メーターの感度は5段階に変えられるようにしました。5接点のSWを採用したのはこのためで、昼間に大音量で聴く時や、夜中に小音量で聴く時でも針の動きを楽しめるようにしました。メーターの感度はオペアンプのゲインを変えることで調節します。5接点SWで帰還抵抗を選ぶ方法です。抵抗値は後で変更できる様に差し替え可能にしました。これには使わなくなったIDEケーブルのメスコネクタを流用しました(左の写真)。コネクタホルダも3Dプリンタ製です。こんなことをしなくても帰還抵抗をVRにすれば簡単なのですが、VRだと現在のメーター感度が分かりづらいし、節操がない気がします。5段階の感度に応じてパイロットランプの色が変わるようにしてあります。
メーターの入力はPMA-2000SEのボリュームと連動していないと意味が無いので、プリアウト端子に接続する必要がありますが、現在プリアウトはTOPPING PA5に接続されています。そこで仕方なくプリアウト端子のすぐ下のパワーアンプダイレクト端子を廃止し、これにをプリアウトを並列接続する改造を行いました。パワーアンプだけ使いたいときに使用する端子なので今後も使わない端子です。改造歴は残りましたが、今後故障しても自分で修理していくつもりなので大丈夫です。また、プリアウトを並列接続しても本機の入力インピーダンスは非常に高いので、アンプの負荷に問題はありません。
4回路5接点のSWのうち2回路はLRの感度調整で使用しましたが、あとの2回路はフルカラーLEDの色変えに使いました。LEDは秋月八潮店で購入。光の三原色である赤緑青のLEDチップが1本の砲弾型LEDに内蔵されています。カソードコモンでアノード側の抵抗で各色の光量を調節しますが、フルカラーにするには3回路の制御が必要です。でもスイッチは2回路しか残っていません。仕方なく3色の中でも輝度が弱い赤色LEDを常時点灯として、緑と青の輝度をスイッチで組み合わせることで写真のように5色を作りました。メーターの感度に応じて色が変わるので、現在のメーター感度が一目で分かります。
左右のメーターのバランス調整は、1kHzの正弦波を再生してメーター直列の5kΩのVRで合わせました.。20Hz〜20kHzのスイープ信号を再生してみましたが(左の動画)、音域によってもバランスが変わるようです。メーター個々のバラツキのせいかもしれません。また、超低音域では反応が小さく、中〜高域はほぼ一定、超高音域でやや下がる動きをしました。
パワーアンプっぽく見えなくもないですが、手作り感も残り微妙な見栄えです。メーター位置はあえて中央からずらしてみまた。実際のパワーアンプPA5はこの後ろに置いてありますが、見た目が貧弱なので、それを隠す意味もあります。
家にある昔の部品を使ってアンプの出力メーターを作りました。昔からメーターのある高級アンプには憧れがあり、いつかは自分もと思っていましたが、自作して雰囲気だけ味わうことにしました。上の動画ではメーターの針が激しく動いていますが、ドラムソロを再生したときの様子。
 2023/5/1完成
自作パワーアンプ風出力メーター

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